底辺ロー卒生のブログ(答案の墓場)

H30から司法試験を受けている底辺ロー卒生が書いた答案UPしたりして、閲覧している皆様にご批評して頂くためのブログ

H30司法試験憲法再現答案

※法律意見書書くの求められていたのにそれを無視して三者間形式で書いてしまったクソ答案です。テンパりすぎて内容も酷いので、ゴミ答案を見ると蕁麻疹が出るなど体調を崩しやすい方はご覧にならないことをオススメします(責任取れないよ)。

 

第1 購入側からの問題点、想定反論、私見

1 購入側の憲法上の問題点

  購入側としては、本件条例7条、8条は、購入者の知る自由を侵害するため、憲法21条1項に反し違憲であると主張する。

(1) 知る自由は、表現の自由を受け手の側から再構成したものであり、憲法21条1項により保障される。

(2) 本件条例7条は、規制図書類を定め、事業者にこれを販売することを禁止・制限することにより、購入者が規制図書類にアクセスすることを著しく困難にしているた

 め、知る自由に対する制約が認められる。

(3) そして、本件制約は正当化されない。

 ア 知る自由は表現の自由の一類型であるところ、表現の自由は表現を通して自己の人格を発展させる自己実現の利益と、表現を通じて民主政に関与する自己統治の利益を有する重要な権利である。また、特に青少年は、販売自体を受けることができなくなるため、規制態様は強度であるといえる。

   したがって、審査基準は厳格審査基準が妥当し、目的がやむにやまれぬほど必要不可欠なものであり、手段が最小限度であることを要すると考える。

 イ 本件条例の目的は、性風俗に係る善良な市民の価値観を尊重するとともに、青少年の健全な育成を図ること(本件条例1条)にあり、地方公共団体は風紀維持も職責であることから、目的はやむにやまれぬほど必要不可欠と言い得る。

   しかし、性風俗保護や青少年保護について、わいせつ文書に係る罪(刑法175条)で刑法は保護を図っており、それ以上に独自に規制を置いて購入を不可能とすることは、過剰な規制といえ、必要最小限度の規制とは言い難い。

   したがって、本件制約は正当化されない。

2 想定反論

(1) 知る自由が憲法21条1項により保障されることは認める。しかし、青少年についてはその未熟さから特別の保護を要するのであり、保障の程度は低いものと言わざるを得ない。また、18歳以上の者についても、青少年保護の観点から、知る自由がある程度制約されることもやむを得ない。

(2) また、本件制約の対象は性表現に係る図書であるところ、性表現は自己統治の利益は勿論のこと、自己実現の利益についても乏しく、重要な権利であるとはいえない。

  そのため、審査基準は緩やかな基準が妥当する。そして、規制の必要性は肯定されるし、18歳以上の者が規制図書を購入することは何ら禁止されていないのであるから、合理的な範囲の規制といえるため、本件条例は合憲である。

3 私見

 (1) 知る自由が憲法21条1項により保障されること、本件条例が知る自由を制約することについては、購入者側の主張を支持する。

 (2) 正当化

  ア 反論の通り、確かに、青少年はその精神的未熟さから、特別の保護を要する。もっとも、本来処罰の対象とならないものまで規制図書類とし、そのアクセスを不可能とすることは、青少年保護という目的を見ても規制として広汎すぎるといえる。また、反論は性表現は自己実現の利益すら乏しいとしているが、性表現も情愛などを通して自己の人格形成に寄与し得るものであり、保障の程度が著しく低いものとはならない。

  イ したがって、審査基準としては、中間審査基準によるべきであり、目的が重要で、目的達成の手段として実質的関連性が認められる場合に限り、制約は正当化されると考える。

 (3) 本件

   本件条例の目的が重要なことは、疑いようがないので、認められる。

   また、性風俗や青少年保護の観点からは、ある程度隔離することも必要であるといえ、目的達成の手段として、必要性も肯定し得る。もっとも、規制図書類は、本件条例7条によると一部であっても7条(1)(2)に規定する描写があれば規制が及ぶことになり、9割以上規制とは関係のない内容であっても、その一部故に購入が難しいこととなり、規制として過剰と言わざるを得ない。また、B市長が内容を精査した上で、規制図書類に当たるかを判断する方法によっても、十分足りるといえる。

   したがって、手段としての適合性が認められないから、本件条例は制約として正当化されない。

   よって、本件条例は違憲である。

   また、18歳以上の者の知る自由についても、違憲な法令により制約を行うことは許されるべきではなないため、18歳以上の者の知る自由との関係でも違憲である。

第2 販売側からの問題点、想定反論、私見

1 販売側の憲法上の問題点

 (1) 明確性原則(憲法31条)違反

   規制図書類の販売等は、罰則の対象となっている(本件条例15条)。そのため、販売等を行うと症が規制図書類に当たるか否かは、明確にされなければならない(適正手続、憲法31条)。

   しかし、本件条例7条は、規制図書類を「殊更に性的感情を刺激する」や「卑わいな」といった、主観的、曖昧な文言を用いて規制図書類を定義しており、明確性原則に反し違憲である。

 (2) 営業の自由侵害

   また、本件条例8条は、販売者の営業の自由(憲法22条1項)を侵害し、違憲である。

  ア 憲法22条1項は職業の開始、選択、廃止について職業選択の自由として保障するものである。そして、実際の活動について保障が及ばないとするなら、職業選択の自由として不十分であるので、営業の自由についても憲法22条1項により保障される。

  イ 本件条例8条は、販売者に対して規制図書類の販売等を禁止・制限するものであり、営業の自由に対する制約が認められる。

  ウ そして、本件制約は正当化されない。

   (ア) 職業は単なる生計維持の手段のみならず、個人の人格利益と不可分の関連性を有する重要な権利である。また、本件制約は罰則をもって規制図書類の販売等を禁止・制約するものであり、規制態様は厳しいものといえる。そして、本件制約の目的は、少なくとも積極目的ではない。

     したがって、審査基準は中間審査基準が妥当する。

   (イ) 本件条例の目的は前述の通りであり、目的として重要なことは認められる。

     しかし、一定区域の販売が禁止される販売者については、青少年等の目につかないような措置を採ることによっても十分目的達成は可能といえる。また、それ以外の販売者については、そもそも隔離措置を採る必要があるのか疑問であり、隔離措置のため多額の費用支出を要求することは過剰といえる。

    したがって、本件条例は正当化されない。

2 想定反論

(1) 明確性原則について、一般人の理解を基準とすれば、何が「殊更に性的感情を刺激する」かや、「卑わい」かは十分判別可能であるので、違憲とは言えない。

(2) また、営業の自由侵害についても、営業の自由はその性質上社会相互関連性の強い権利であり、一定程度制約されることはやむを得ないといえる。そして、性風俗保護・青少年保護という本件条例の目的は正当なものであり、条例の規制は合理的な範囲を超えるものではないから、制約として正当である。

3 私見

 (1) 明確性原則について

   反論では、一般人の理解をして本件条例7条の文言は十分判別可能としている。判例も、一般人の理解を基準に明確性原則違反を判断しているため、かかる基準を用いるのは正当である。

   もっとも、本件条例は、刑法175条に係るわいせつ文書以外の図書を規制するため設けられたものであるところ、刑法175条の「わいせつ文書」に当たらず、本件条例の「殊更に性的感情を刺激する」「卑わいな」図書であるか否かは、もはや各人の価値観に基づいた判断によらざるを得ず、一般人をして判別可能であるとはいえない。

   したがって、本件条例7条は明確性原則に反し違憲である。

 (2) 営業の自由侵害について

  ア 営業の自由が保障されること、本件条例が営業の自由を制約することについては、販売者側の主張を支持する。

  イ 正当化

   (ア) 確かに、営業の自由はその性質上社会相互関連性の強い権利であるから、一定程度制約を受けることはやむを得ない。もっとも、罰則をもって販売を禁じることは強度の制約といえるし、また、本件条例の目的は積極目的ではないことも踏まえると、なお中間審査基準により違憲性を判断すべきである。

   (イ) 前述のように、本件条例の目的が重要なのは疑いようがない。もっとも、本件条例7条の規制図書類は一部でも同条(1)(2)の掲げる描写が含まれていれば直ちに規制図書類に含まれることとなり、事業者の販売できる図書を過剰に制限するものといえる。また、販売が禁止される地域については、販売自体を禁じなくとも、隔離して青少年等の目に触れないよう必要な措置を行うように定めれば足りるし、それ以外の地域については、そもそも青少年が訪れる可能性を視野に入れていないのであるから、多額の費用を支出させてまでの隔離措置を講じる必要はないといえる。

     したがって、本件条例は正当化されない。

                                    以上